「ロックアウト」とはどのようなものですか?


質問マーク企業が争議行為に対抗する手段である「ロックアウト」とはどのようなものですか?

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弁護士の回答

弁護士本村安宏イラスト

ロックアウトとは、使用者が争議行為の相手方である労働者に対して、労務の受領を集団的に拒絶し、又は事業場から集団的に締め出すことによって賃金の支払を免れる行為をいいます。

 

 

解説

争議行為への使用者の対抗手段

拒否のイメージイラスト労働組合によるストライキに対し、使用者としては操業を禁止されているわけではないため、管理職や非組合員を動員して操業を継続することができます。操業継続のために代替労働者を雇用することもでき、当該行為は不当労働行為にはならないとされています。

この点、最高裁判所も、「使用者は・・・ストライキ中であっても業務の遂行自体を停止しなければならないものではなく、操業阻止を目的とする労働者側の争議手段に対しては操業を継続するために必要とする対抗措置をとることができる」と言及しています(山陽電気軌道事件、最二小判昭53年11月15日刑集32巻8号1855頁)。

そして、使用者による争議行為への対抗手段としては、ロックアウトが挙げられます。

 

ロックアウトの内容と要件

障害物のイメージイラストロックアウトとは、使用者が争議行為の相手方である労働者に対して、労務の受領を集団的に拒絶し、又は事業場から集団的に締め出す行為をいいます。

使用者がロックアウトを行う目的は、労務提供を拒否することで労働者に対する賃金の支払を免れることにあります。

そこで、具体的にどのような場合に、ロックアウトが正当な行為とされ、賃金支払義務を免れるかについて、学説、裁判例を通じて議論されてきました。

この点、丸島水門事件において、最高裁判所は以下のように述べて、一般的な基準を明らかにしました(最三小判昭50年4月25日民集29巻4号481頁)。

「個々の具体的な労働争議の場において、労働者側の争議行為によりかえつて労使間の勢力の均衡が破れ、使用者側が著しく不利な圧力を受けることになるような場合には、衡平の原則に照らし、使用者側においてこのような圧力を阻止し、労使間の勢力の均衡を回復するための対抗防衛手段として相当性を認められるかぎりにおいては、使用者の争議行為も正当なものとして是認されると解すべきである。
労働者の提供する労務の受領を集団的に拒否するロックアウト(作業所閉鎖)は使用者の争議行為の一態様として行われるものであるから、それが正当な争議行為として是認されるかどうか、換言すれば、使用者が一般市民法による制約から離れて右のような労務の受領拒否をすることができるかどうかも、右に述べたところに従い、個々の具体的な労働争議における労使間の交渉態度、経過、組合側の争議行為の態様、それによつて使用者側の受ける打撃の程度等に関する具体的諸事情に照らし、衡平の見地から見て労働者側の争議行為に対する対抗防衛手段として相当と認められるかどうかによつてこれを決すべく、このような相当性を認めうる場合には、使用者は正当な争議行為をしたものとして、右ロックアウト期間中における対象労働者に対する個別的労働契約上の賃金支払義務をまぬかれるものといわなければならない。

この判例の立場からすれば、労働者による争議行為がいまだ行われていない段階で行うロックアウト(先制的ロックアウト)は許されないことになります。

また、防衛的な手段としてロックアウトが認められるかどうかは、①労使間の交渉態度、②経過、③組合側の争議行為の態様、④それによって使用者が受ける打撃の程度が考慮要素として挙げられています。

最近の裁判例の中で正当性が認められたロックアウトとしては、安威川生コンクリート工業事件(最三小判平18年4月18日民集60巻4号1548頁)があります。

現場のイメージ画像この事件では、労働者側が時限ストライキを行い、使用者がその日に割り当てられた受注をこなすことができないとして、出荷を断念した直後にストライキを解除するという行動を6回繰り返したことに対して、使用者がロックアウトを行ったというものでした。

最高裁は、労働者が提供した労務が、ストライキにより就労しなかった時間に対する減額をした賃金に到底見合わないものであり、使用者が労働者の時限ストにより資金繰りに著しく窮し、取引先の信用も損なったとして、労働者の行った争議行為の与えた影響が甚大であったことを理由に、使用者側の対抗防衛措置としてのロックアウトを正当化しています。

 

 

7-争議行為への対応

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